金属加工における技術とはどんなものがあるの?技術力の高い業者の見極め方から徹底解説!

2022年05月23日(月)

金属加工には実にさまざまな種類があり、材質や形状、求めるスペックに応じて適切な加工技術を選ぶことで、思い描いた製品を形造ることが可能です。さらにこの分野においても技術は日進月歩で、新しい加工技術がどんどん誕生し、より自由な・より精巧な加工ができるようになってきています。

この記事では最新のものも含めて金属加工の技術について解説。技術力が高い加工業者を見極めるポイントについてもご説明します。

金属加工のそもそもの種類について

金属加工には「形造る加工」と「性質を変化させる加工」の2種類があり、必要に応じて適切な方法を選択する必要があります。金属を加工する際には多くの場合、両方を取り入れなければなりません。それぞれどのようなものか、簡単にご説明します。

形造る加工

金属を素材の状態から製品の形にするための加工です。工作機械を用いた「機械加工」、力を加えて金属を形造る「塑性加工」、金属を溶かして型に流し込むことで形造る「鋳造」の3種類に細分化されます。

さらに機械加工の中でも刃物やドリルを使って金属を切断したり削ったりする「切削加工」、砥石を使って削る「研削加工」、電圧で金属を加工する「放電加工」、レーザーで金属を加工する「レーザー加工」など、さまざまな加工技術があります。

性質を変化させる加工

金属に熱を加えたり表面をコーティングしたりすることで金属の性質を変化させる加工です。耐久性や耐腐食性、耐摩耗性などを向上させることができます。金属を形造った後に性能の向上を目的として行われることが多いです。

こちらの加工についてもさまざまな技術があり、金属を加熱あるいは冷却させることで組織を変質させる「熱処理」、金属の表面に保護膜を形成させる「表面処理」が挙げられます。さらに、熱処理には「焼入れ」「焼戻し」「焼きなまし」「焼ならし」などの種類があります。

上記の加工技術についてもう少し詳しく知りたい方は、「金属加工の種類とは?体系的に分かりやすく解説!」の記事をご覧ください。

金属加工の技術は進化を重ねています

以上でご紹介した加工方法は比較的オーソドックスなもので、大半の金属加工業者がいずれかの加工技術を採用し、世の中の大多数の製品がこれらの技術で生産されています。

一方で金属加工の分野においても技術革新が進んでいて、次々と新しい加工技術が誕生しています。これによってより金属を精巧かつ自在に加工できるようになりました。ここからは最新の加工技術についてご紹介します。

積層造形(3Dプリンター)による加工

3Dプリンターという言葉をニュースなどで見聞きしたことがあるかもしれません。3次元データを読み込ませることで、そのとおりの形に加工することができます。素材を一層ずつ加工していく「積層造形」という技術を採用しているので、データ通りの形状に加工することが可能です。

従来の工作機械は機械の動作を指示するプログラミングが必要でしたが、3Dプリンターではデータをインプットすればそれに合わせて自動的に作動してくれるため、納期の短縮やコストダウンができます。また、複雑形状の加工も可能です。

更に滑らかな曲面加工を可能にする5軸加工

切削加工を行うマシニングセンタはX軸(左右)、Y軸(前後)、Z軸(上下)という3軸の動作ができます。5軸加工機はこれに加えて「回転」と「傾斜」という2軸の加工が可能です。連続した曲面の加工やアンダーカットなど、複雑な形状加工にも対応できます。

また、従来のマシニングセンタよりも段取り(加工物の取り替え)が少なくて済むので、生産性の向上や納期短縮にもつながります。

切削加工もμm(マイクロメートル)での加工を実現

上記のように新しい加工技術がどんどん誕生していますが、従来の切削加工においても改善が加えられ、より精巧な加工が可能となっています。今やμm(マイクロメートル。0.001mm)単位での加工ができるようになりました。

ここからは切削加工の最新技術について見ていきましょう。

精密加工

精密加工とは上述のとおりμm単位の加工を行う技術のことです。切削加工の世界においては寸法公差(図面の寸法に対してどれだけの誤差があるか)が鍵となります。切削加工を行う限り、どうしても誤差は生じます。その誤差をどれだけ許容するかという指標が寸法公差です。

精密加工の寸法公差は1μm、つまり図面との誤差が±0.001mmしか生じないということです。細菌やバクテリアの大きさが1μmなので、たとえ誤差があっても目で見てわからないレベルです。

更に上を行く超精密加工

精密加工でも1μmという人の目ではわからないレベルの寸法交差を実現できますが、近年ではさらに高精度な「超精密加工」という技術も誕生しています。超精密加工の寸法公差は0.5μm(±0.0005mm)であり、この大きさは微粒子程度です。

超精密加工を採用することで、高精度な部品が生産できるのはもちろん、量産時の不良率(製品によるバラツキ)が極めて低くなります。

切削加工という手法技術は昔からあり、オーソドックスな手法の一つですが、その中身は飛躍的な進化を遂げているのです。

更に驚きの金属加工業者の技術精度

精密加工を用いれば1μm、超精密加工であれば0.5μm単位の加工が可能となりますが、板金加工や従来の切削加工においても現代の技術によって寸法交差がどんどん少なくなり、高精度な加工が可能となってきています。

ここからは一般的な金属加工業者が対応できる技術精度について見ていきましょう。

板金加工における許容範囲

板金加工とはパンチやハンマーなどで金属を曲げたり、パンチやレーザー加工機で穴を空けたりする加工のことです。曲げ加工の場合は基準穴の中心から曲げた部分の根本までの寸法公差を±0.15mm程度まで抑えることが可能です。0.15mmとはコピー用紙の厚み程度の大きさです。曲げの角度の公差については±0.5°程度です。

レーザー加工による穴空けの場合、寸法公差は0~±0.15mm程度です。やはり誤差があったとしてもコピー用紙の厚み程度となります。

切削加工における許容限界

旋盤やフライス盤、マシニングセンタなどを用いた従来の切削加工の場合、一般的な寸法公差は±0.01mm(長手方向の加工の場合は±0.03mm)程度となります。0.01mmは雲を構成する水滴と同じレベルの大きさです。

旋盤加工など円柱状の部品加工については、直径10mm程度のものであれば±0.03mm程度が一般的な寸法公差となります。

従来の切削加工においても各種加工機の性能向上や加工業者の技術向上により、これだけの精度を実現することが可能となりました。

技術力の高い業者の見極め方

ものづくり大国日本。金属加工業界においても全体的にレベルが底上げされていて、精密な加工に対応できる業者もたくさんあります。とはいえ、業者によって精度や不良率は異なります。金属加工を外注する際には業者選びが重要です。

意図した部品を要求した精度、数量、納期で造ってもらうためには、しっかりとコミュニケーションをとる必要があります。打ち合わせで親身に相談に乗ってくれて、見積もりに関しても詳しく説明してくれて、問い合わせにもしっかりと対応してくれる業者を選びましょう。

ホームページの情報も役に立ちます。金額だけで決めるのではなく、ホームページの作りや担当者の印象、打ち合わせや見積もりの内容などを総合的に判断しましょう。

信頼できる技術力を持った業者をお探しなら是非ご相談ください

良い製品づくりは良い加工業者選びから。技術力が高くて対応がしっかりしている業者を選べば、要望通りの物を納期通りに納品してくれるはずです。一方で技術力が低い業者や顧客の要望に応じてくれない業者も存在します。そういった業者を選んでしまうと意図した物とは異なる物が納品された、納期通りに納品されない、不良が大量に出るなど、さまざまなトラブルが発生するリスクがあります。

株式会社フカサワは創業80年以上の部品・パーツ、ねじの総合商社です。金属加工業者をはじめ多くの協力会社さまと提携し、お客さまが希望される部品・パーツ、ねじを納品いたします。今回ご紹介した加工すべてに対応が可能です。さらに、製品の高品質化や生産性向上、コストダウンができるご提案も積極的にさせていただき、貴社に貢献します。

部品・パーツ、ねじの外注に関することで悩みの方、製造工程における課題をお抱えの方は、ぜひ私たちにご相談ください。

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